
「マッサージに行っても、その場しのぎですぐに元通り…」

「いろいろなストレッチを試したけど、効果が実感できない…」
長年のつらい肩こりに、そうお悩みではありませんか?
私の外来でも、多くの患者さんが同じ悩みを抱えています。
しかし、私が「ある動き」を提案したところ、多くの方が「驚くほど肩が軽くなった」と効果を実感されています。
この記事では、私が臨床現場で実際に指導している、肩こりの根本原因にアプローチするための動きをご紹介します。
この記事を読めば、なぜあなたの肩こりが今まで改善しなかったのか、そしてどうすればそのつらさから解放されるのかが、明確に理解できるはずです。
注意:これは一般的な肩こりに対するアプローチ法を紹介しています。痛みが生じる場合には、すぐに動かすのを止め、整形外科医など専門機関を受診してください。
あなたの肩こりが治らない「本当の理由」
肩こりの根本原因は、肩や首の筋肉が凝り固まっていることとよく言われますが、それだけではありません。
肩甲骨がサビつき、「左右連動」でスムーズに動いていないのが本当の原因です。
私たちの肩甲骨は、本来、背中の上で肋骨の上を滑るように自由に動く「浮いた骨」です。
そして、野球のピッチャーや水泳選手のように、左右の肩甲骨がしなやかに連動することで、腕や肩の複雑な動きを生み出しています。
しかし、デスクワークやスマホ操作で長時間同じ姿勢を続けると、この肩甲骨の動きが失われ、ガチガチに固まってしまいます。
その結果、周辺の筋肉が常に引っ張られた状態になり、血行が悪化。
これが、マッサージをしてもすぐにぶり返す、慢性的な肩こりの正体なのです。
ストレッチ法や肩甲骨を両方同じように動かす動かし方はよく紹介されていますが、普段の本質的な動きが改善されないと、根本的な解決にならない可能性が高いです。
「横棒ムーブメント」でしなやかな肩甲骨を取り戻す
では、どうすればサビついた肩甲骨を解放できるのか?
私が患者さんに提案しているのが、「横棒ムーブ」です。
これは、難しいストレッチではありません。
あなたの脳で「あること」をイメージするだけで、誰でも簡単に正しい動きを再現できます。
【実践】横棒ムーブのやり方
- まず、イメージしてください。あなたの左右の肩甲骨が、一本の「硬い横棒」で繋がっていると想像します。
- 基本の姿勢椅子に座るか、リラックスして立ちます。背筋を軽く伸ばしましょう。
- ゆっくりと動かす水泳のクロールのように、右肩を少し前に出します。この時、「横棒」で繋がった左の肩甲骨が、自然と後ろに引かれるのを感じてください。
- 次に、左肩を前に出すと、右の肩甲骨が後ろに引かれます。
ポイント:腕で動かすのではなく、あくまで肩甲骨(背中)から動かす意識です。
「横棒」がシーソーのように左右にスライドしていくイメージで行いましょう。
また説明とは逆に、左肩を引いて右肩が前に出る→右肩を引いて左肩が前に出る、というイメージでも構いません。私はこのイメージで動かしています。
この動きを、呼吸を止めずにゆっくりと、30秒ほど繰り返してください。
痛みを感じる場合は、絶対に無理をしないでください。
下の2つはAIに作ってもらったイメージ動画です。
水泳の動画では、左右の肩甲骨が連動しているのがわかると思います。
この動きをさらに簡単にしたのが次の動画です。
日常動作を「肩こり予防」に変える究極の習慣
この「横棒ムーブ」の最大のメリットは、特別な時間を取らなくても、日常の動作に取り入れられることです。
歩きながら、走りながら「肩甲骨」を動かす
普段、歩いたり走ったりするとき、腕を振っていますよね?
その時、ただ腕を振るのではなく、「横棒ムーブ」の要領で、肩甲骨から腕を振るように意識してみてください。
- 右腕を前に振るとき、右の肩甲骨が前にスライドする。
- 左腕を前に振るとき、左の肩甲骨が前にスライドする。
この意識を持つだけで、いつもの「歩行」や「ランニング」が、肩甲骨の可動域を広げ、周辺の筋肉をほぐす最高の肩こり予防運動に変わります。
日常動作自体がセルフケアになるため、わざわざ「運動の時間」を作らなくても、あなたは生活しているだけで、肩こりになりにくい身体を手に入れることができるのです。
まとめ:肩甲骨を解放し、本当の「肩の軽さ」を取り戻そう
つらい肩こりの根本原因は、固まった筋肉そのものではなく、「肩甲骨の連動して動かなくなること」にあります。
今回ご紹介した「横棒ムーブ」は、その連動性を取り戻すための、シンプルで効果的な方法の一つです。
- デスクワークの合間に30秒、座ったままでOK。
- 通勤中の歩きを、最高のセルフケアに。
この新しい習慣を、ぜひ今日から取り入れてみてください。
きっとあなたも、これまで感じたことのない「本当の肩の軽さ」を実感できるはずです。
肩甲骨の動きは、投げる動き、水泳の動きなどの動きにヒントがあります。
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