野球の投げる仕組み

健康

子供にはある程度運動をできてほしいと思うのが親心です。

走ることが脳の活性化にもつながります。

さて歩く、走る以外にも投げる、蹴るなどスポーツの基本的動作があります。今回は投げることに関して書きます。

投げるのが苦手な親御さんの子供でもある程度できるようになるコツをお話ししたいと思います。

なぜ投げるのにうまい下手の差ができるのか?

私は投げるのが得意なわけではありません。

スキー、スノーボード、陸上など色々なスポーツを学生時代にやって、動作に関して色々分析して上達してきました。

自分の子供が大きくなってきて、どうしたらうまく投げる基礎を身につけてもらえるかを考えました。

巷には投げ方の本はいっぱいあります。しかしそれを読んでもうまく投げれる人と、そうでない人に分かれます。

それは投げることに関しての原理を理解できていないからです。

「子供に適切な運動とは?」の記事で書きましたが、子供の頃は動作を頭でなく体で覚えます

そして、投げる本を書く人は当然投げるのが子供の頃からうまいわけです。

そういう人は体で投げ方の基本を覚えているので、投げるのが下手な人のどこを直せばいいのかわかりづらいのです。

誰でもある程度投げられるように投げ方の簡単な仕組みを説明しようと思います。

練習方法などは、調べればいくらでも出てくるので、ここでは省略します。

投げる動作は「重心移動」→「回転運動」→「肩甲骨の連動」

投げる動作が上手くなるための原理原則は、突き詰めると以下の流れになります。

①重心移動で前への力(並進運動)を生み出す。

着地して重心移動を止め、並進運動を回転運動に変える。

その回転運動を、肩甲骨の連動によって「ムチのしなり」に変え、腕に伝える。

これがうまくできたら、驚くほどうまく投げられるようになります。 右投げの場合で説明します。

これらを図にしてみます。思い切り人間を単純化して丸と脚だけで描いてみます。

体を前に移動させます。

左足を上げて右足で支えながら体を前に移動させます。ここで前に進む力を作ります。

真上から見たら下のような絵になります。右脚だけが体を回転させようとしていますが、まだ力としては弱いです。

左脚が着地したら、体の移動が止まります。

この「ストップ」が非常に重要です。 前に進もうとしていたエネルギーが、左足の着地によって行き場を失い、右足で蹴る力も加わって、③体が鋭く回転運動に変換されます。

真上から見るとこんな感じです。左脚からの反力も加わり、体がどんどん回転していきます。

これを鋭くできるように、さらにボールに力が伝わるように色々工夫したり、筋トレをしたりするわけです。

この仕組みがわかると、解説本の内容もより理解できるようになると思います。

脚の踏ん張りが大事と言われるのは、このためです。左脚が着地した時にしっかり地面から反力をもらって回転運動を鋭くできるからです。

実際、垂直跳びのパフォーマンスが良い選手はピッチングにしてもヒッティングにしてもボール速度が大きいみたいです。陸上のベースが大事なわけですね。

回転を「ムチ」に変える肩甲骨の連動

さて、ここからが「手投げ」を卒業するための最も重要なポイントです。

下半身で作った強力な回転エネルギーを、どうやってボールに伝えるのでしょうか?


答えは、体を「ムチ」のようにしならせて使うことです。

そして、そのムチの起点となり、しなりを生み出す最大のパーツこそが「肩甲骨」なのです。

投げるのが苦手な子は、体が一本の棒のようになり、体幹の回転と腕の振りが一緒に出てしまいます。

これではエネルギーが伝わりません。


上手な投げ方は、体幹(背骨)が回転し始めた後、肩甲骨がしなやかに動き、腕が遅れて出てくることで「ムチのしなり」が生まれます。


具体的には、右投げの場合、以下のような連動が起こっています。


テイクバック(トップ): 胸を張る時、右の肩甲骨は背骨に寄ります
リリースへ: 体が回転を始めると、まず左肩(左の肩甲骨)が後ろに引かれます。
連動: それに引っ張られるように、右の肩甲骨が背骨から離れながら前方に押し出され、腕が振られます。

この動きは、「左右の肩甲骨を横棒でつなぎ、クロールのように連動させて動かす」動作なのです。

肩甲骨がガチガチに固まっていると、この「しなり」が全く生まれません。 まずは、左右の肩甲骨がそれぞれ独立し、かつ連動して動くという感覚を養うことが重要です。


この仕組みがわかると、「胸を張れ」「腕は遅れて出せ」といった指導の意味が、より深く理解できるようになるはずです。

肩甲骨の動きに関しては、次のような記事を書いています。

まとめ

非常にシンプルにまとめましたが、投げる動作は

  1. 重心移動
  2. 回転運動への変換
  3. 肩甲骨の連動による「しなり」

という原理で成り立っています。 特に3つ目の「肩甲骨の連動」は、見落とされがちですが、ボールに効率よく力を伝えるために不可欠な要素です。

このように原理を理解しておくと、子供への指導も変わりますし、応用が広がります。

運動だけでなく、勉強や仕事も一緒だと思います。

子供の運動に関して以前にも記事を書きました。

走ることに関して以前にも記事を書きました。

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