以前、同じ内容の記事を書き、不動産などレバレッジをかけることの重要性をお話ししました。
しかし私もそうなんですが、なかなか積極的には借金できないですよね。。
特に不動産投資で資産価値の維持できるような物件を購入するにはかなりの資産が必要になります。
そのため、不動産投資は勉強しながら資産を貯めて準備をして、もっとハードルの低い方法を使うのがいいかもしれません。
ハードルの低い方法としては以前お話しした自動車ローンの他に、有価証券担保ローンがあります。
自動車ローンの活用法に関しては以前お話しました。
本記事では、有価証券担保ローンを中心にお話しし、初心者がレバレッジかけていくための考え方を解説します。
1. レバレッジ投資とは?
話を進める前に、まずレバレッジとは何かを理解する必要があります。
レバレッジはひとことでいうと「自己資金以上の投資を行うことで、収益性を高める手法」です。
株式投資、不動産投資、FX、信用取引など色々なやり方があります。
これだけだとよくわからないですよね。。
去年新NISAが話題になったので、新NISAでの資産形成の話を例にします。
新NISAでの資産形成で最も王道なものは「インデックスで長期投資」です。
アメリカの株価指数S&P500など、代表的な指数に連動した商品をコツコツ買い進め、10年、20年と長期投資するのです。
月5万から始め、20年コツコツ投資するとある程度の資産を形成できる可能性が高いのです。
5%程度のリターンの投資だと、20年後には2000万円ほどになります。
このやり方は再現性が比較的高いため、徐々に日本人に広まってきています。
しかし、この方法はとにかく時間がかかります。
もっと早く資産を形成するには利回りを増やすか、入金力を高めるしかありません。
この利回りを増やす方法の1つが、レバレッジなのです。
例えば、2%の利息で1000万円を利息を払う限り無期限で借りられるとします。
この1000万で5%の平均リターンの投資信託を買うと、年50万のキャピタルゲインが得られることになります。
するとこのキャピタルゲイン分を一部売却すれば、2%分の利息20万円を毎年払うことができます。
利息を払ってもどんどん投資信託の含み益が増えていくので、資産の増加が自己資金だけの時よりも加速するわけです。
これだけ聞くと良いことづくめのように思いますが、価格下落時のリスクも増幅する点に注意です。
お金を低金利で借りるためには担保が必要になります。不動産投資なら不動産、有価証券ローンなら証券の価格が下落するリスクがあるわけです。
他にも、返済が滞るリスクもあります。
2. 不動産投資
不動産(マンション、アパート、一戸建てなど)を購入し、賃料収入や売却益を得る投資ですね。不動産投資については皆さん聞いたことがあると思います。
不動産投資のメリットとしては、なんといってもレバレッジが大きいことです。
土地値がしっかりしていて、収入もあれば何倍ものレバレッジをかけることができます。
家賃収入で借金を返済していけば、だんだんと自分の資産が増えていくわけです。
デメリットとしては、
①価値が落ちない不動産を手にし、維持するためにはかなりの勉強、手間がかかるということ
②ある程度の資産がないと価値の落ちない物件を買えない
ということがあります。
不動産アニキという資産30億を持つyoutuberの方によれば、5000万円を動かせるようにならないとまともな不動産は買えないようなのです。。
というわけで、庶民にはなかなか手の出ない代物なのであります。
これは医師も例外ではありません。
医師は収入が多いのですが、単独の収入で限度額まで借りても、資産性のある物件を買うのは厳しいのです。
土地の立地、さらに修繕などの費用をどう抑えるか、など事業をやる覚悟でやらなくてはならないので、全員ができることではないのです。
3. 有価証券担保ローン
そこで、有価証券担保ローンが、ハードルの低い借金方法として出てきます。
有価証券担保ローンとは、保有する有価証券(株式、債券、投資信託など)を担保に資金を借り入れるローンです。
借入額は担保となる有価証券の評価額に応じて変動します。株式なら総額の50%、債券なら60-70%程度の金額を借りることができるということです。
資金使途は原則自由なのが最大のメリットです。不動産などでは使途が限定されますが、有価証券担保ローンでは使途の制限が非常に少ないです(証券会社によって条件は変わります)。
借りたお金を使って株式や債券に投資することができます。投資で得た利益を返済に当てていけば、徐々に自分の資産が増えていくことになるのです。
富裕層であれば、何億と資金を借りて不動産投資などをやっている方もいるようです。すごいですね。
デメリットとしては、担保価値が下落すると追加担保が必要になる場合があります。株価や債券価格が下落して、借りられる金額が減ってしますわけです。
借りられる金額よりも、実際に借りている金額が上回ってしまうので、その差の部分を返済するか、追加で担保を加える必要があるわけです。
実際には強制的にロスカット(すぐに返済)になったりしてしまいます。
4. 有価証券担保ローン vs 不動産投資の比較
有価証券担保ローンと不動産投資に関して説明しました。比較すると下のようになります。
項目 | 有価証券担保ローン | 不動産投資 |
---|---|---|
レバレッジ効果 | 低〜中 | 高い |
リスク | 高い(担保価値下落リスク、金利変動リスク) | 中程度(空室リスク、修繕費リスク、不動産価格変動リスク) |
手間 | 少ない | 多い(物件選定、管理、入居者対応など) |
期間 | 短期~中期 | 長期 |
税金 | 株式譲渡益課税、配当所得課税 | 不動産取得税、固定資産税、都市計画税、所得税など |
メリット | 資金使途が自由、手続きが比較的簡単 | 安定した賃料収入、インフレヘッジ効果 |
デメリット | 担保価値下落リスク、金利変動リスク | 空室リスク、修繕費リスク、不動産価格変動リスク |
5. 資金がないなら、有価証券担保ローンがハードル低い
さて、ここまで説明してきましたが、富裕層でない一般の方がレバレッジをやるとしたら有価証券担保ローンの方がハードルが低いと思います。
資産性のある不動産投資では大きな資金が必要な一方、有価証券担保ローンなら少額から借りることができるからです。
例えば、野村webローンなら30万円から資金を借りることができます。100万円分の株式を野村証券に預けると、担保額は50万になりますから、30万程度の借入ならロスカットのリスクも低く運用できるでしょう。
この借りたお金を例えば、S&P500連動のETFや、今話題の楽天SCHD、SBI証券のSCHDみたいな増配が期待できる投資信託に投資すれば、借金を返済しつつ資産を増やすスピードを早めることができます。
注意点は、無理な額を借りないことです。富裕層であれば、損失を出してもリカバリーできますが、一般の方は致命傷になる可能性があるからです。
大事なことは、レバレッジという仕組み、「良い借金」を実感することなのです。
少額から始めることで、リスクを最小限にとどめつつ、富裕層の行っていることを経験する。
これが重要ではないかなと思います。
6. まとめ
有価証券担保ローンと不動産投資は、それぞれ異なる特徴を持つレバレッジ投資手法です。どちらを選ぶべきかは、ご自身の投資目標、リスク許容度、投資期間、手間などを考慮して慎重に判断しましょう。
コメント