貧困は脳の活動を低下させる

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このブログでは、投資や良い借金によって資産を増やそう、という記事を多く書いてきました。

なぜ資産を増やすのがいいのか?についてはお金の側面から私も説明してきましたし、いろいろな記事やyoutubeでも説明されています。

しかし、脳の機能からの説明はほとんどされていません。

実は、脳がしっかり働くようにするためには、金銭的な困難をなくすことが必要なのです。

よくFIREを達成したyoutuberが「余裕が持てるようになった」「上司や会社に媚びなくなった」という発言をしていますが、これも脳の状態の変化が起こしていま

この記事では、資産を増やし、経済的な自由を増やすことが、どう脳に影響するのかを説明していきます。


脳をどう変えるか

貧困が脳に与える影響を脳の仕組みを説明していきます。

脳が目の前の処理でいっぱいいっぱいになる

ハーバード大学のセンディル・ムッライナタン教授らが「認知帯域(Cognitive Bandwidth)」の占拠という概念を考えたようです。

人間の脳が一度に処理できる情報量は限られています。

お金がなく、余裕がない人は、「今日の食費をどうするか」「来月の家賃を払えるか」といった、目先の悩みばかり考えます

これは、PCで重いソフトが常に動いているようなものです。

そうすると、長期的計画、学習、創造的な思考といった、より高度な知的作業を行う余裕がなくなってしまうのです。

ストレスで知的な脳が「ハイジャック」されてしまう

貧困がずっと続くと、ストレスな状態が続くことになります。

すると脳の中の扁桃体(へんとうたい)という部分が活動を始めてしまいます。

扁桃体は、大脳辺縁系という脳の原始的な部分で、「恐怖」「不安」「怒り」などの感情を伴い、人間の活動をコントロールします。

これは大昔、人間がジャングルに住んでいた時に生き延びるための機能だったのです。

例えば、ジャングルで得体の知れない食べ物をむやみに食べたら、毒があったりして危険ですよね?

また群れから離れて、のんきに単独行動したら、 危険な動物にやられてしまいます。

大昔には必須の機能でしたが、現在ではこの扁桃体が必要な場面は減少しています。

にもかかわらず、扁桃体が活性化すると、脳は常に「生き残るための短期的な脅威」にばかり注意が向き、冷静な判断が困難になります。

同時に、人間の理性や計画、衝動抑制を司る、脳の最高中枢「前頭前野」の働きが抑制されます。

つまり、脳が「理性の司令塔(前頭前野)」から、「本能の獣(扁桃体)」にハイジャックされてしまうのです。

2. 追い詰められた脳が不合理な判断をしてしまう

脳の機能が低下すると、行動力が低下してしまいます。

前頭前野の機能が低下すると、将来の大きな利益よりも、目先の小さな利益を優先する傾向が強まります。

これを「現在志向バイアス」と言います。

高金利のサラ金に手を出してしまうといった行動だけでなく、健康に悪いのはわかるけど、お酒をやめられない、健康診断を先延ばしにして将来の医療費を増大させてしまう、といった行動をみなさんとってしまうと思います。

これらは「今を生き延びる」ことを最優先するよう、脳がハイジャックされた結果としての、その状況下における「合理的」な判断なのです。

そして何をしても状況が改善しない、という経験を繰り返すと、「どうせ努力しても無駄だ」と、挑戦する意欲そのものを失ってしまう「学習性無力感」という心理状態に陥ります。

これが貧困が個人の意欲や精神力を、内側から破壊してしまうのです。


結論

このように、貧困は個人の怠惰や能力不足の結果では必ずとは言えないのです。

貧困家庭に生まれたら、その時点で脳の機能が低下したままになる危険があるのです。

よく貧困は自己責任だという論調がありますが、そう単純な話ではないことがわかります。

一度貧困に陥ると、脳の機能が低下し、思うように行動できなくなってしまうのですから。

ブログやyoutubeで投資や資産形成を通じて経済的な安定を目指すのは、単にお金を増やすという効果だけではありません。

それは、自分の脳を、「欠乏の呪縛」から解放し、長期的で、創造的な思考ができる状態に保つためでもあるのです。

次回、経済的な安定を達成すると、脳にどのような良い影響があるかを解説します。

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