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私は勤務医として節約に関する記事をこのブログで書いています。
医師って収入が多いから、節約しなくてもいいのでは?と思うかもしれません。
しかし、これからの時代、医師も節約が必須になるのです。というかもうすでに必要です。
今回は医師に節約が必須な理由に関して解説します。
医師の数が過剰になる
医師の数は増え続けています。最近宮城と千葉に医学部が新設されましたし、定員自体も増えています。
しかし日本は人口減少が続いているので、確実に医師は余ります。
余るということは、給料が上がりづらくなるということです。事実、フリーランス医師が増えた首都圏ではアルバイトの相場が安くなっています。
医師はインフレに弱い
実は一部の勤務医以外は、この恐ろしい事実を認識していない気がします。物価が上がってるねという認識止まりの人が多いです。
若い先生に聞いても、給料が上がらないという認識まではありますが、実質賃金がどんどん低下しているのをわかっていませんでした。
これは給料が額面上は減っていないからだと思います。給与明細の手取りがどんどん減っていったらみんな危機感を抱くでしょう。インフレでの実質賃金低下では絶対額が減らないので、実感しにくいのです。
しかし実際には2022年に物価上昇が始まり、現在までですでに5%以上実質賃金は低下しています。2024年の物価上昇予測は2.4%ですので、これを加えると8%も低下します。恐ろしくないですか?
しかも、2024年大企業では5-6%のベースアップを謳っていますが、あれは潤沢な内部留保があるから成せる技です。
特に大規模病院はどこも赤字ですから、ベースアップする余裕などありません。国も高齢者が増え続けるので、診療報酬は抑制する方向に動いています。
つまり、保険医療制度で働く医療関係者は皆8%の実質賃金低下をもろに被ることになります。
診療報酬改定で若手医師、コメディカルの賃金を2%上げるようにするようですが、それでも6%以上の賃金低下になっています。。
さらに恐ろしいのは、このインフレ傾向はこの先も続くということです。
追い討ちをかけるように、2025年以降団塊の世代が全員75歳以上になり、社会保険料の増額も加わります。
他業種の賃金が上がり続け、医療関係者は上がらないでいると悲惨なことになります。
コメディカルは日本の平均賃金以下、医師ですら平均賃金位。こんな未来がやってきてもなんら不思議ではありません。
医師も生活苦になる可能性があるなんて。。。
2022-23年位のインフレが15年続くと、給料は半減します。日銀のインフレ目標の2%だと3割減です。
社会保険料、税金はますます上がるので手取りはもっと低下します。団塊の世代が75歳以上になる2025年も間近に迫ってきています。
こうなると医療関係者は総貧困化し、今の秩序は崩壊します。医学生は医療以外の就職を目指すようになるかもしれません。誰も大学院に行って研究したり、お金を払って論文投稿しなくなります。リアルに生活できなくなるからです。
学会や大学院など、自らお金を出す仕事が多い
2に関連しますが学会費、大学院などの費用が医師にはのしかかります。ただでさえ減少している手取りがさらに奪われる状態なのです。
これを防ぐには学会の大幅な統廃合、医局での大学院義務の廃止、頻繁な引越しを減らして持ち出しを減らすようにするしかありません。
しかしこれらの対策は中々行われていません(大学院に関しては、希望制になっているところも増えているようです)。
これは上層部に賃金低下の危機感がない証です。学会の分科会が増えたところもあるくらいなのです。
働き方改革が賃金低下を後押ししてしまう
働き方改革によって、2024年からは医師も残業時間が外勤先も含めて月80時間に制限されるようになります。これによりアルバイトで収入を補っていた勤務医は打撃を受けるようになります。
インフレによる打撃とのダブルパンチなのです。
働き方改革は結局、形だけ実施されている状態で、仕事のやり方など本質は変わっていないので無賃労働が増えるだけになります。
正直、働き方改革も大事ですが2でお話しした通り、実質賃金低下の方がはるかに深刻で、早急に解決すべき問題です。
しかしこちらは病院内で全く議論になっていません。本当に危険な状態(=生活苦になるレベル)になるまでこのまま悪化し続ける可能性が高くなっています。
医師にできる対策は?
さて、医師の将来の見通しはかなり暗いというお話をしてきました。この時代で生き残るために戦略を立てていく必要があります。
節約
この記事で書いてあることを見ると、とてもじゃないけど浪費している場合ではないことがわかります。人間、一度上げた生活水準はなかなか下げられないのです。
副業が安定したり、投資による収入がある程度にならない限りは節約しないと医師も詰みます。
ここでは勤務医の話を中心に書いてますが、開業医はさらに診療報酬減額の圧力が強いので、節約はやはり必須になります。
自由診療か、効率化を進め黒字経営の病院に就職する、あるいは開業
これからの時代、保険医療で利益を出すのはどんどん厳しくなります。自分のいる病院が赤字なら、インフレに合わせたベースアップは望めません。それでは貧困化まっしぐらです。
ですので、価格決定権のある自由診療か、効率化を進め利益を出せている病院への就職が現実的になります。
ただし、自由診療を希望する医師は増加しています。価格競争も起きている分野もあるようです。今後はこのような分野の待遇も悪くなることが予想されます。安泰な道はないと思った方が良さそうです。
もし赤字の病院(大規模病院はほとんど赤字です)で働き続けるなら、副業が必須です。
新NISAが今年から始まっていますが、投資による資産運用では増えて収入を補えるまでに時間がかかります。十分増える前に収入減により投資資金が足りなくなる可能性が高いです。副業するしかないのです。
時間に余裕のある病院で働き、副業に注力するのも1つの選択肢でしょう。
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