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SNSでこのような投稿があり、医療ニュースで話題になっているようです。
2024年度診療報酬改定が告示された。 様々な意見がSNSで飛び交っているが、 「医師の年収を平均600万~700万円とするのが財務省の目標」 という趣旨の投稿が話題となっている。
2年に一度の診療報酬の改定を巡っては、 医療費圧縮などのためにマイナス改定としたい財務省と、 医療財源の確保に向けプラス改定としたい厚生労働省が、 毎回激しい議論を繰り広げている。
HOKUTO通信
これがもし事実だとすれば医師は壊滅的打撃を受けるでしょう。
以前の記事で書いたのですが、年収を下げなくても医師の給料は危機にあるのですから。
財務省の狙い通りに年収が下げられると、15年後には物価も加味した実質年収は300万〜500万になってしまいます。
他の業界の賃金は少しずつ上がっていくでしょうから、医師の年収は日本の平均年収以下になります。最早リスクの高い急性期医療は誰もやらなくなるでしょう。
ここまでやると医療は間違いなく壊滅してしまいます。急性期医療はますます人手不足になってしまいます。
平均ならいいじゃない。。と思うかもしれません。しかし、医師は学会費や大学院、専門医登録の高額な費用が発生します。平均年収しかない場合、他業種の平均年収の方よりはるかに厳しい生活になるのです。
ここで書いてあるのは、最悪のシミュレーションかなあと思っていますが、実質年収500万は普通にあり得る話だと思います。院長などの管理職でも実質手取り700万の未来は普通にあり得ます。この前提で未来を考えなければなりません。
賃上げから取り残される医療職
今年大手企業は相次いで5%を超える賃上げを表明しています。2024年までの3年で8%の実質賃金低下なので足りない所も多いのですが、医療職に比べればはるかにましです。
因みに、物価上昇前の賃金を100とすれば、3年間の実質8%減で92にまで減っています。8%賃金増加しても99.36と元に戻りません。9%増加しないと元に戻らないのです。増加率の高い王将(11.5%)などでも102.58と思ったより増えないのです。
政府が言っている一部の医療職の2%の賃上げ後は93.84でなんとまだマイナス6.16%なのです。恐ろしいですね。。全然足りない。
注:もちろん2022、2023年も賃上げしているなら違います。先ほどの王将(王将フードサービス)は2023年も7.0%の賃上げを行なっているので、実際は十分賃上げされています。
今回の予想をした人はあまり物価のことを分かってない可能性が高く、600-700万まで下がることは流石にないんじゃないかなとは思いますが、医療職が厳しい状況なのは変わらないです。
ちなみに、外科医の数が減っているため、外科の給料が上がっていく政策が取られるのではないかという意見が聞かれます。私はこれには期待しない方がいいと考えています。
まず、診療報酬の全体の額は決められているので、外科医の給料を上げるということは、他の支出を下げることになります。高齢者の増加、原材料費の高騰が確実な中でなかなか厳しいのです。
2024年4月、開業医の診療報酬の削減に続いて、医師過剰地域の診療報酬の減額が議論されているらしいです。その次は人員が過剰な科の診療報酬が下がるのではないかという噂もあります。
手術の報酬も含め下がってしまうかもしれませんし、仮に手術の報酬が下がらなくても、他の科の収益が悪化すると病院の利益が減るので、結局外科医にも悪影響なのです。
都市部の外科医を中心に賃金が下手したら下がるように圧力がかかるかもしれません。。
そして、仮に外科医の給料が上がったとしても、医師の実質賃金の減少を補えるほど上がるかというとこれも疑問です。おそらくそこまでは上がらないでしょう。
そして畳み掛けるようですが、万が一実質賃金の減少を補うほど上がったとしても、今より良くはなりません。額面の給料が上がると税金、社会保険料が上がるからです。
今より良くなるほど給料を上げるには、将来物価が2倍近くになるとして年収2500万以上が必要でしょうが、ここまで上がることは考えにくいでしょう。
こちらでも記事を書いています。
官僚は医師に同情しない
診療報酬の決定に重要なのは厚生労働省、財務省です。特に財務省の権限は絶大です。
この官僚の労働環境はどうでしょうか?大部分の方は医師より給料が低く、勤務医より労働時間が過酷な人も珍しくないはずです。
このような待遇の人達が、医師の賃金低下をなんとかしなきゃと思うでしょうか?
特に財務省は冷徹なコストカッターですから、全く同情などしないでしょう。
医師過剰地域の診療報酬の減額は財務省が議論しているとのことですから、容赦なく進めていく可能性が高いです。
まとめ
かなり厳しい話が多かったですが、対策をしないと大変なことになります。
医師をはじめとした医療職は将来の計画をしっかり立てたり、節約、副業に励むことが必須なのです。
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