マグネシウムが燃えやすい理由 化学を役立てる①

勉強

少し前に摩擦でなぜ火がつくのか?という話になりました。

その中で、ファイヤスターターの話が出てきました。

今回は、ファイヤスターターがマグネシウムでできている理由を掘り下げていきます。

・・なんでそんな記事を書くのか?

子供が「なんで?」を繰り返すからです。繰り返される質問に答え続ける知識、思考力を得たいなあと。

これを読んで、子供の質問にどんどん答えていっていただけたら幸いです!

さて、ファイヤスターターがマグネシウムでできている理由は火花がつきやすいからです。さて、なぜ火花がつきやすいのでしょうか?

発火点が低い

マグネシウムは発火点が473℃だそうです。これは、他の金属より低いようです。

ファイヤースターターにはフェロセリウムでできているものもあります。発火点が150-180℃と低く、火がつきやすいそうです。

発火点とは、マグネシウムなどが燃える温度のことです。この温度が低ければ、燃えやすいのはなんとなくわかる気がします。

しかし、そもそも燃えるとはどういうことでしょうか?

燃えるとは? 

物と酸素が結びつくことを酸化と言います。このとき、物によっては熱と光を発します。

このとき私たちが感じる光と熱の正体が火・炎なのです。

物と酸素が結びついて熱と光を発したということは、物と酸素がくっついてエネルギーを外に出した、ということができます。これを燃焼熱といいます。逆に言うと、物と酸素を離すためには、エネルギーを使って離さないといけないのです。

酸化によって生まれた熱が次の酸化を促す・・・ということを繰り返すと、火が燃え続けることになります。

発火するにはどうしたらいい?

低温ではマグネシウムは中々燃えていかないです。これはなぜでしょう?

それは、燃焼するためにもエネルギーが必要だからです。下の絵を見るとわかりますが、燃えるためにはエネルギーの山を越える必要があるのです。これを活性化エネルギーといいます。

ファイヤースターターは擦ることで摩擦熱を発生させます。これが活性化エネルギーになっているのです。

マグネシウムは、空気中で加熱すると酸素と反応し、炎と強い光を出して燃えます。

さらに窒素や二酸化炭素中でも燃焼し、それぞれ窒化マグネシウム(Mg3N2)、酸化マグネシウム(MgO)となります。

このようにファイヤースターターの材料のマグネシウムは、空気中の酸素、窒素、二酸化炭素と反応を起こして火花となるのです。

先ほどマグネシウムは発火点が低いとお話ししましたが、これは活性化エネルギーが低いということになります。

なぜマグネシウムは活性化エネルギーが低いのか?

マグネシウムは元素記号でMgと書きます。

酸素と反応するとき、マグネシウムから電子が抜け、イオンになります。

記号ではMg2+となります。

そして、マグネシウムはイオンに非常になりやすい(イオン化傾向が大きいと言います)のです。

マグネシウムよりイオンになりやすい金属は、ナトリウム、リチウムなど、通常そのままでいられないものしかありません。

他にも理由はあるのでしょうが、このイオンになりやすいというのが理由の1つになります。

削りやすい

マグネシウムは切削抵抗が小さいそうです。所要切削動力指数は、マグネシウムを1とすると、アルミニウムが1.8、鉄は6.3、となります。

この指数は、どういう意味なのか、僕もよくわかりません。

しかし、削りやすいという性質は、ファイヤースターターの材料に適していると言えます。

まとめ

ファイヤースターターの材料になっている理由をまとめると

1.発火点が低い→燃えるための活性化エネルギーが低い

2.削りやすい

となりました。ファイヤースターター1つとっても、ここまで考えることができるというのがわかりましたね。深く調べるとまだまだ色んなことが出てきます。

これで、子供の質問責めにも対応できるかもしれません。ぜひ、ファイヤースターターを子供と使ってみてください。

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