数学を生活に役立てる研究者〜物理・数学11

勉強

東京大学教授の西成活裕さんは、数学を実際の世の中でどう役立てるかを考え続けた人です。

交通渋滞が起きるメカニズムを分析し、渋滞学という新たな分野を作りました。

私のこのブログの趣旨のはるか先を行った方です。勝手に師匠と思っております笑

さて、西成さんは渋滞以外にも色々な問題を数学を使って解決策を示しています。プリンターのメーカーや、NASAが困っていた問題にも取り組み、成果を出しているのです。

ここでは、渋滞学について簡単にだけ説明しておきます。セルオートマトンという数学を使うようですが、詳しいことは本に譲ります。

例えば、サグ(少し坂道になっている所。無意識に減速してしまうのです)で減速すると、 後続車が次々とブレーキをかけていき、自然渋滞が生じるのです。

後続車が車間距離を空けていればブレーキを踏まないので、渋滞を避けることができます。

逆に後続車が車間距離を詰めていれば少しの減速で大きなブレーキを踏むことになります。

ということで、後の車が気になるでしょうが、ある程度車間距離をしっかりあけ、なるべくブレーキを踏まずに進むことが大事というわけです。

 今とにかく速く移動したい、と自分のことだけを考えてスピードを出して、急に減速して、としてしまうと逆に渋滞の原因となり損をするわけです。

自分のやりたいこと、自分の希望を実現するためには、自分のことだけ考えてはダメなんだというのはわかりますが、それが渋滞に関して理論的に説明されたわけです。非常に面白いですね。

この渋滞学で得られた知見を使って、物流の改善や、会社での仕事の効率の改善にも応用しているようです。

学校で得られた知識は、どんどん応用していくととても役に立ちます。「学校の勉強が役に立たない」と考えるのは単に勉強したことを使いこなしていないだけの可能性があるのです。

「この数式はなんかに使えないかな?」とか色々試してみるときっと面白い発見があるでしょう。

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