私はインデックス投資を中心に株式投資をいくらかやっています。個別株はほとんどやっていませんが、本を読んだりして企業分析の仕方、売買のコツなどを勉強しました。
そこで学んだのは、感情を排して、一定のルールに従って行動するということです。
人は損をしたくないという気持ちが働くので、株価が下がった時には売る時期を見誤って損を拡大させたり、売る機会を逃して塩漬けにしてしまい、損を拡大したまま売れなくなったりします。
そのため、例えば10%株価が下落したら売る、などと売るルールを予め作っておいて、機械的に対処すると失敗を防げます。
この感情はプロスペクト理論の損失回避性で説明できます。簡単にいうと「得をした!」という感情より「損をした!」と思った時のダメージの方が大きいので、損をしないように動いてしまうことです。
なぜ人間がそんな心理になってしまうのかは、歴史からわかります。人が文明社会で生きるようになったのはごくごく最近のことです。大自然の中では、少しのミスが死を意味します。文明社会になってからも、子供の死亡率が大幅に下がったのはつい100年位のことです。
つまり損やミス=死に直結していたので、遺伝的にそれを避けるように設計されるのは理にかなっていたわけです。
ところが最近はこの本能が逆に邪魔になってしまうことも多くなってきた、というわけです。
この損をしたくないという感情は日常のさまざまな所で現れて邪魔をしています。
医師の仕事でも感情に支配されるとロクなことがありません。手術や手技で失敗したくないという気持ちが強くなり過ぎて手が動かない、頭が真っ白になってしまうなどです。
子供は本能がより強いので、この感情がとても出やすいです。
大人の場合は数字や言葉でルール化を徹底する(=言語化する)ことが重要です。
手術でルール化を徹底するためには、予めマインドマップのようなフローチャートを頭に入れておき、器械的にチャート通りに進めるのが良いと考えています。手術中に考えてもあまり上手いこといきません。
子供の場合も、数や言葉に親しんでいればある程度は効果があります。
言語を使って具体的にすることで、感情を追い出すのです。
この言語化の大切さについては別の記事で書きます。
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