紙飛行機を考える 物理・数学16

数学・物理

息子がよく折り紙を折って色んなものを作っています。遠くに飛ばせるとすごく嬉しそうです。

さて、紙飛行機の飛ぶ理由も物理が関わっています。わかりやすく飛ぶイメージを子供に持ってもらうだけで紙飛行機がさらに楽しめますし、物理にも親しめるようになると思います。

たかが紙飛行機と侮るなかれ。世界記録はなんと29.2mで、日本人による記録だそうです。極めるとそこまで飛ばせるようになります。

飛行機が浮かぶ仕組み

まずは紙飛行機に限らず、飛行機が浮かぶ仕組みを知らなければなりません。飛行機は「揚力」という力で浮かびます。

翼が横からくる風に対して上向きに傾いていると、翼の下よりも上の空気の流れの方が速くなります。空気の流れが速い上の空気の方が気圧が低くなります( ベルヌーイの定理と言います)。

気圧は酸素、窒素などの分子の密度に比例します。密度が高いほど分子がぶつかり押される頻度が多くなる、とイメージするとわかりやすいです。

翼の上の空気より下の空気の密度が高くなるので、下からの押される強さの方が大きくなり上に浮かぶようになる。これが揚力なのです。

揚力は速度の2乗に比例します。ですからジェット機がジェットエンジンを使って飛ぶと大きな揚力が発生するわけです。

紙飛行機の場合はエンジンはありませんので、揚力は弱く、だんだん減っていくことになります。ですから減りを少なくすることが長く飛ぶコツになるわけです。

どうしたらいいのでしょう?それには揚力を邪魔する要素を減らせばいいのです。

揚力を減らしてしまう原因は?

揚力を減らす原因は色々ありますが、主なものに1.上下方向の回転ピッチング、2.左右方向の回転ヨーイング、3.横方向の回転ローリング4.重心が前すぎる、後すぎる、があります。

1.上下方向の回転ピッチング

これは真横から水平方向への軸中心に回転することです。機首が上下すること、とイメージするとわかりやすいです。

機首が上がり過ぎても、下がり過ぎても揚力がうまく得られず失速してしまいます。

2.左右方向の回転ヨーイング

上下方向の軸を中心に左右に回転することです。ヨーイングが起きると進む向きが変わってしまいます。

3.横方向の回転ローリング

機体全体を串刺しにした方向を軸にして回転します。これも揚力に影響を与えてしまいます。

4.重心が前すぎる、後すぎる

重心が前すぎるとすぐに下向きに落ちてしまいます。逆に後にあると急上昇して失速してしまいます。

揚力を保つための工夫

先ほどの揚力を邪魔する要素をなるべくなくすためには、羽の一部を折ったり、重心の位置を変えたりすることで対応できます。

1.ピッチングを防ぐ

後ろの羽の一部を立てたりすると防止できます。

2.ヨーイングを防ぐ

翼の両端を折ると機首が左右に回転する動きを抑え、直進性を高めます。

3.ローリングを防ぐ。

翼を曲線にすることで防げます。

4.重心の位置を適切な位置にする

クリップを前に入れて調整したり、紙飛行機の先端を折ったりします。

まとめ

紙飛行機もかかる力を考えて工夫すると遠くまで飛ぶようになって非常に楽しいです。お子さんと一緒にやってみましょう。

下の本を参考にしました。飛行機について非常にわかりやすく書いてあっておすすめです。

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