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この本の著者は、精神科医として少年院の子供たちと接してきた方です。少年院に行く子供たちの実態というのは普段私たちは全く意識することがないと思います。
この本を読むことで
・少年院に行く子供の特徴を理解できます。
・自分達自身を振り返ることができます。子供への接し方も変わります。
犯罪を犯したという認識ができない
少年院にいる子供には境界知能、知能障害が多いということでした。
これは聞いたことがあるかもしれませんが、「ケーキを3等分」ができなかったりするのです。
ケーキを3等分するには、ケーキを円として考えて、円の中心から120度ずつ線を引いて切れば良いのですが、これを認識するには丸いケーキを家族などで食べる経験がある、ケーキの切り方がわかるような教材や本が家にあることが必要です。
少年たちは知能障害がある上に上記の経験がなかったりするのです。
そして驚くことに少年たちは「犯罪を犯した重大性を認識できていない」ことが多いのです。
殺人を犯した少年は、刑務官には反省をした態度をしているのですが、よくよく聞くと「刑務官にそう言わないと怒られるから」反省をしているだけなのです。
殺された人の家族の悲しみ、殺された人の無念などを考えることなどほとんどできていないのです。犯罪はダメだという理解もできていないですしね。
自分を客観視できない→プライドが高いか、低くなってしまう
少年院の少年はプライドがとても高いか、自己評価が異常に低いかのどちらからしいです。他人の批判ばかりする人もいるようです。
自分の状態を正確に把握するには、客観視できるように訓練する必要があるのですが、客観視というのは高度な知能が必要なのです。
私たちの日常でも活かすことができる
少年院の少年達に見られる傾向を勉強すると、私たちにも活かすことができます。決して他人事ではないのです。自分達だけでなく、少年達への理解も変わってくると思います。
自分達のやり方、考え方は当たり前ではない
まず自分達が当たり前に思っているやり方、考え方は前提としてどのようなベースがあるのかを考えることに意識が向かうようになります。
子供が何か出来ていないことがあったり、勉強ができなかったりして「なんでできないの!」というふうに怒るのは意味がない、逆効果だということがわかります。
ベースの部分を分析すれば、子供がどこでつまづいているのかがわかるようになるのです。
少年院の少年達は学校でいじめを受けていたりしていることが多いそうです。言葉遣いが変だとか、運動ができないとか劣っていることがいじめの原因になることが多いのです。
大人の意識が変われば、子供の意識も変わります。いじめの解消にもつながってくる可能性があると思います。
ただ怒っても意味がない
少年院の少年が犯罪を犯しても反省出来ていないのと同じように、子供に「ダメでしょ!」と強く怒っても子供は「なぜ怒られたのか」という思考にならないのです。
理由がわかるように説明したり、理解できるようにしていかないと改善できないのです。これは肝に銘じなければいけませんね。
適切なプライドを持つのは高度な知能がいる
少年院の少年の話をみると、プライドの話では奇妙な通説があることがわかります。
例えば「あの人は東大卒だからプライドが高い」などです。
これは正直元々疑問を抱いていました。そもそも自分を客観視する訓練は高学歴の方がしてきてるはずでは?と考えていたのです。
それなのに、高学歴はプライドが高いというよくわからない話がまかり通っているのです。
これはおそらく、高学歴でプライドの高い態度の人が目立っているだけだと思います。
実際、学力の低い人の方が自己評価が高いという論文も出ているようです。
ですので、プライドが高かったり自己評価が適切にできていないのは東大卒ではなく子供も含めた大多数なんだ、と認識した方がいいでしょう。
自分が無知な分野では愚かな行為をする可能性が高い
少年院の少年は社会で生きる基本的な所が足りないことがわかりました。
しかし我々も、犯罪は流石にしてはいけないとわかりますが、他の知識かない分野では同じ状態になってしまう可能性が高いです。
犯罪を常軌を逸した行動、と置き換えれば例えばワンルームマンション投資なんかが例に取れると思います。
正直、儲けるという観点からは常軌を逸しています。一部の都心のワンルーム以外は損をする構造になっています。
しかし常軌を逸したという認識自体できていないので、投資しちゃってるんですよね。
自分が無知なんだ、と認識できていればしっかり勉強するはずです。医師や大企業のサラリーマンがよく騙されていますが、自分は頭がいいと錯覚してしまうことで、常軌を逸した行動を取ってしまうのです。
まとめ
・犯罪を犯したという認識ができない
・自分を客観視できない→プライドが高いか、低くなってしまう
・私たちの日常でも活かすことができる
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